通常のオリンピックバーは多くのアスリートに重宝され、昨今のウェイトトレーニングにおいては欠かせない存在となっています。
しかし最近はヘックスバーやマルチグリップバーなど特徴的な形をしたバーベルが各メーカーから作られ、その価値を認めるストレングスコーチが増えてきました。
今回はその中でもTグリップバーというバーベルについてご紹介します。
Tグリップバーはその名の通りグリップがT字型になっているバーベルのことです。 Tグリップバーを使うメリット、トレーニング方法、バーベルの種類について詳しく知ることで、今後のトレーニングに新しい視点を加えられたらと思います。
Tグリップバーを使うメリットについて
肩への負担を軽減できる
Tグリップバーでは、通常のオリンピックバーとは異なりニュートラルグリップ(両方の手の平を向かい合わせる握り方)ができるので、ベンチプレスやショルダープレスを行う際に肩にかかる負担を軽減することができます。そのため肩に障害を持つアスリートや、オリンピックバーでのプレス動作が苦手な方にとっては非常に有効なツールです。
バーベルの種類によってはダブルハンドルだったり、アングルがついていたりするので、自身の体の構造に合わせてトレーニングをすることができます。
上腕部のトレーニングに変化をつけることができる
ニュートラルグリップができることのメリットは他にもあります。例えば、ハンマーカールのようなエクササイズもTグリップバーがあると便利です。ハンマーカールは通常ダンベルを使って行われるため、ジムによっては高重量のダンベルを置いていないことがあります。しかしTグリップバーがあればプレートで重さを調節できるため、より高重量を扱うことができます。
ハンマーカールでは上腕二頭筋だけでなく、その下にある上腕筋、それから腕橈骨筋も使うので、通常のストレートバーで行う時とはまた違った刺激を入れられます。ニュートラルに持つことで手首への負担も軽減できます。
またスカルクラッシャーのような上腕三頭筋のトレーニングにも有効です。スカルクラッシャーをストレートバーで行うと肘への痛みを感じることがありますが、Tグリップバーを使えば肘への負担も軽減することができます。
通常のオリンピックバーより軽く、初心者でも使用できる
Tグリップバーにも様々な種類がありますが、基本的には通常のオリンピックバーより軽いため、初心者の方にも使いやすくなっています。 例えばアメリカンバーベルのTグリップクラブストレングスライトバーは重さが3.2KG、Tグリップショートバーベルは重さが4.5KGです。
逆にオリンピックバーと同様、もっと重量がほしい方のためのバーベルもありますが、こちらに関しては後ほどご紹介します。
トレーニングの種類に幅が出る
Tグリップバーのもう一つの大きなメリットは、様々なトレーニングに活用できることです。これまでに挙げたベンチプレスやハンマーカール、スカルクラッシャーに加えて、フロントレイズやアップライトロウ、ベントオーバーロウといったトレーニングでも有効です。
文章だけではイメージが湧かないと思うので、次は実際にTグリップバーを使ったトレーニング動画をご紹介します。
Tグリップバーを使ったトレーニング
1.ハンマーカール
2.ストロングマンカール
3.トライセプスエクステンション
4.フロントレイズ
5.アップライトロウ
6.プッシュプレス
7.ベンチプレス
8.ベントオーバーロウ
9.フロントスクワット
このようにTグリップバーを使って様々なトレーニングを行うことができます。
Tグリップバーの種類について
Tグリップバーを使ったトレーニング方法について見て頂いたところで、最後に現在市場に出ているTグリップバーの種類についてご紹介します。
Tグリップダブルストレートハンドルバー(ソリッドエンド)

Tグリップダブルストレートハンドルバー(ソリッドエンド)は、その名の通り持ち手が2つあるため、トレーニングに応じて握りの幅を調整することができます。全長は213センチ、重さは約14キログラム。グリップ部分にはローレット加工が施されています。
Tグリップダブルアングルハンドルバー(ソリッドエンド)

Tグリップダブルアングルハンドルバー(ソリッドエンド)は、同じく持ち手が2つあり、かつ斜めになっています。その他の仕様は上のダブルハンドルバーと同じになります。
Tグリップショートバーベル

Tグリップショートバーベルは、全長が122センチと通常のTグリップバー(213センチ)よりも90センチほど短くなっています。そのため、ホームジムなど比較的狭いスペースでも使用することができます。重さも4.5キロと軽くなっており、初心者の方にも使いやすい製品になっています。
このように同じTグリップバーでも、長さや重さ、ハンドル、スリーブといった部分でそれぞれ特徴がありますので、ご自身の目的に合わせて最適な1本をお選びいただければと思います。
また、オリンピックバーと比べると比較的安く購入できますので、フィットネスクラブやスポーツジムだけでなく、ホームジムや各学校のトレーニング施設でもお気軽にご利用いただけます。
以上、Tグリップバーの種類とトレーニング方法についての解説でした。